開店祝いの胡蝶蘭、いつ届くように手配すればいいのか。
注文画面の配達日を選べないまま、手が止まってしまう方は本当に多いです。

こんにちは、胡蝶蘭専門店「Orchid Rhapsody」のスズランです。
この記事では、開店祝い・就任祝い・移転祝いといったお祝い別に、届け日の決め方をまとめました。
先に結論をお伝えすると、迷ったときは前日着です。
その理由と、季節ごとに気をつけたいことまで、順番にお話ししますね。

胡蝶蘭は「いつ届くか」で印象が変わります

同じ一鉢でも、届いた日が一日違うだけで、相手の受け取り方はずいぶん変わります。
お店に18年立ってきて、これはかなり大きいと感じています。

一日ずれると、飾られる場所が変わってしまう

開店前日に届いた胡蝶蘭は、入口やレジ横といった、いちばん人目につく場所に置かれます。
まだ内装の最終確認をしている時間帯なので、受け取る側にも「どこに飾ろうか」と考える余裕があるからです。

これが開店当日の午後になると事情が変わります。
接客が始まっていて、届いた鉢はとりあえずバックヤードや廊下の端に置かれることになります。
翌日に表へ出してもらえればいいのですが、そのまま忘れられてしまうことも珍しくありません。
せっかくの一鉢が、いちばん見てほしい相手に見られないまま終わってしまうのは、もったいないですよね。

早すぎる到着は、かえって相手の負担になります

では早ければ早いほどいいのかというと、そうでもありません。
開店の三日前、四日前に届いてしまうと、まだ什器も入っていない床の上に置かれることになります。
工事の粉じんをかぶったり、脚立にぶつけられたり、水やりを忘れられたり。
気を遣わせたうえに花まで傷むという、いちばん残念な流れです。

以前、施主様が「大安に届けたい」と六日前を指定されたことがありました。
先方から「ありがたいのですが、置き場所がなくて」とご相談をいただき、こちらで一度引き取って前日に届け直したことがあります。
日取りの縁起よりも、相手が受け取れる状態かどうかを優先する。
私はそちらのほうが、結果としてずっと喜ばれると思っています。

一年中贈れる花だからこそ、日付は自分で決められます

胡蝶蘭には「贈れる季節」がありません。
本来の開花は春ですが、生産者さんが温度と日照を管理して、一年を通して咲いた株が市場に出るようにしています。
このあたりの仕組みは、胡蝶蘭の開花時期はいつ?通年入手できる理由と季節ごとの生長サイクルという記事に、季節ごとの生長サイクルまで含めて詳しくまとめられています。
「いま贈っていい時期なのか」が気になる方は、目を通しておくと安心できると思います。

栽培そのものも、環境さえ整えば季節を選びません。
日本洋蘭農業協同組合も、温度管理ができていれば一年中室内で育てられる花だと説明しています。
つまり、届け日は花の都合ではなく、贈る相手の都合だけで決めていいということです。

お祝い別・届け日の決め方

シーンによって「ちょうどいい日」は違います。
迷いやすいものから順に整理しますね。

開店・開業祝いは前日着が基本です

開店祝いは、前日の午前から夕方までに届くよう手配するのがおすすめです。
オープン初日の朝、いちばんきれいな状態で店頭に並びます。

例外は内覧会やレセプションがある場合です。
関係者やメディアが入るのは開店日より前ですから、その日に間に合わなければ意味がありません。
招待状に内覧会の日付が書かれていたら、その前日に合わせてください。

もうひとつ、飲食店には時間帯の配慮が要ります。
ランチとディナーの準備が重なる時間を外して、午前中の早い時間か、十四時から十六時あたりを指定すると受け取ってもらいやすいです。

就任・昇進祝いは、就任日から一週間以内に

就任祝いは、就任日当日に届くのがいちばんきれいな形です。
前もって届けたくなる気持ちは分かるのですが、辞令が正式に出る前に花が届くと、まだ前任者が座っている部屋に飾られることになります。
先走った印象になってしまうので、ここは我慢どころです。

就任の知らせを後から知った場合は、遅くとも一週間以内を目安に手配します。
一か月も経ってから届くと、お祝いというより催促のような空気が出てしまいます。
遅れてしまったときは、立札に「ご就任おめでとうございます」とだけ添えて、理由は書かないほうがすっきりします。

移転祝い・周年祝いは、相手の「動きが止まる日」に合わせて

移転祝いは、新オフィスでの業務開始日か、その前日に届けます。
引っ越し当日は荷物と人でごった返していますから、そこに大きな鉢が届くと本当に困らせてしまいます。
移転の案内状に業務開始日が書かれていることが多いので、そこを起点にしてください。

周年祝いは、記念日の当日か、数日前で構いません。
創立記念パーティーがあるなら、会場に直接届けるという方法もあります。
その場合は会場側の受け取り可能時間を確認しておくと安心です。

お祝いの種類届け日の目安気をつけたいこと
開店・開業祝い開店前日内覧会があればその前日に
就任・昇進祝い就任日当日〜一週間以内就任日より前に届けない
移転祝い新オフィスの業務開始日か前日引っ越し当日は避ける
周年祝い記念日当日〜数日前会場宛ての場合は受取時間の確認を
個人のお祝いご本人の在宅日大きな鉢は事前にひとこと伝えて

個人宅にお送りする場合は、事前に「お花を贈らせてください」と伝えておくのが親切です。
不在で持ち戻りになると、その分だけ暗い車内で過ごすことになりますし、再配達の手間もかけてしまいますから。

季節ごとに気をつけたい、配送のこと

一年中贈れる花ではありますが、真夏と真冬だけは少し手間をかけてあげてください。
届いてからの一日で、花持ちが変わります。

夏は、閉め切った室内と置き配が大敵

胡蝶蘭が快適に過ごせるのは十八度から二十五度くらいです。
真夏の配送そのものは、多くの業者さんが空調の効いた車両を使っているので、そこまで神経質にならなくて大丈夫です。
問題は届いた後です。

金曜の夕方に届いて、そのまま閉め切ったオフィスで土日を過ごす。
これが夏場でいちばん多い失敗です。
室温は簡単に四十度近くまで上がりますし、直射日光が当たる窓辺なら葉焼けも起こります。
週明けに月曜到着で組み直すか、受け取り後すぐに空調のある場所へ移せるか、どちらかを確認しておいてください。

気象庁が公開している気温・降水量の長期変化傾向を見ると、日本の年平均気温は長期的に上がり続けています。
私が店を始めたころと比べても、夏の配送で気を遣う場面は明らかに増えました。

冬は、玄関先に置かれた数時間が命取りに

冬はもっとはっきりしています。
胡蝶蘭は十度を下回ると弱り始め、五度以下では細胞が傷んでしまいます。
配送中は保温材で守られていますが、届いた後、寒い玄関や無人の店舗に半日置かれると、そこで低温障害が出ます。

葉が黒ずんできたり、つぼみがぽろぽろ落ちたりするのは、たいていこのパターンです。
十二月から二月に贈るときは、必ず時間帯を指定して、その場で誰かが受け取れる日を選んでください。
北海道や東北へお送りするときは、店側に防寒梱包をお願いできるかどうか聞いてみるといいですよ。

春と秋は、いちばん気楽に贈れます

三月から五月、九月から十一月は、配送でも管理でも気を張らずに済む季節です。
新しく胡蝶蘭を贈ってみたい方には、この時期からをおすすめしています。

ただし三月下旬から四月は、就任・異動・開店が一年でもっとも集中します。
市場の相場も上がりますし、希望の色や本数が押さえられないこともあります。
この時期だけは、日程が決まった時点ですぐ動いたほうがいいです。

「いつまでに注文するか」を逆算する

届け日が決まったら、次は注文日です。
ここを甘く見ると、当日になって慌てることになります。

立札の文言確認に、まる一日みておく

法人ギフトでいちばん時間がかかるのは、花選びではなく立札です。
会社名の正式表記、代表者の役職、連名の順番。
社内で確認を回すと、半日から一日は普通にかかります。

私のところでも、注文自体は早かったのに立札の文言確定を待つあいだに希望日が埋まってしまった、という例がありました。
先に花と配達日を押さえて、立札は後から確定させる。
この順番で進めるほうが確実です。

繁忙期は、二週間前を目安に

通常なら三日から五日前の注文で間に合います。
ただし三月から四月、それに十二月は事情が違います。
この時期は二週間前を目安にしてください。

年末年始とゴールデンウィークは配送そのものが止まる日があります。
一月四日の仕事始めに合わせたい場合など、年をまたぐ手配は、前年の十二月中旬までに相談しておくと安心です。

急ぎのときに、確認したい三つのこと

明日や明後日に届けたい。
そんな場面は実際にあります。
そのときは、注文前に次の三つを店に聞いてみてください。

  • 何時までの注文なら当日発送に間に合うか
  • 立札を後から差し替えられるか
  • 産地直送か、店舗からの発送か

産地から直接送る形だと、当日の対応が難しい場合があります。
逆に、在庫を持っている店なら夕方の注文でも翌日午前に間に合うことがあります。
電話一本で分かることなので、遠慮なく確認してみてくださいね。

まとめ

胡蝶蘭を贈る日を決めるときに、覚えておいていただきたいのはこのくらいです。

  • 開店祝いは前日着。内覧会があればその前日に
  • 就任祝いは就任日当日から一週間以内。前倒しはしない
  • 移転祝いは業務開始日に合わせ、引っ越し当日は避ける
  • 夏は届いた後の室温、冬は受け取り後の玄関先に注意する
  • 繁忙期の三月から四月と十二月は、二週間前に動く

胡蝶蘭は一年中手に入る花です。
だからこそ、届け日を決められるのは贈る側の特権だと思っています。
相手がいちばん落ち着いて受け取れる日はいつだろうと考える時間そのものが、もう贈り物の一部になっているのかもしれません。

あなたの選んだ一日に、幸福を運ぶ蝶が舞い込みますように。